第4号警備業務の全体像と社会的背景
第4号警備業務は、警備業法第2条に基づき「人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」と定義され、一般的には「身辺警備」や「ボディガード」として知られています。この業務は、要人や特定の個人を犯罪や災害、事故などから守ることを目的としており、警備業務全体の中でも特に高度な責任と専門性が求められます。しかし、2021年時点で第4号警備業務を取り扱う警備会社は全体の6.1%に過ぎず、他の警備業務と比較しても少数派となっています。近年では、ストーカー被害や高齢者の一人暮らしの増加など、一般市民の安全確保のニーズが高まっており、第4号警備業務の重要性が増しています。
第4号警備業務の具体的な内容と対象者
第4号警備業務には主に「身辺警護」と「緊急通報サービス」の2つの業務があります。身辺警護では、政治家や企業役員、芸能人、スポーツ選手などの要人だけでなく、児童や高齢者、一人暮らしの女性など、日常生活で危険にさらされる可能性のある一般市民も対象となります。警備員は、対象者の移動時や自宅周辺での警戒を行い、犯罪や事故からの保護を担います。一方、緊急通報サービスは、対象者の自宅に設置された緊急通報装置を通じて、緊急時に警備会社へ迅速に連絡を取ることができる仕組みです。このサービスは、高齢者の急病や事故、子供の安全確保など、さまざまな場面で活用されています。ただし、設備投資や運営ノウハウが必要なため、提供している警備会社は全体の1.6%と限られています。
第4号警備業務に求められるスキルと適性
第4号警備業務に従事するためには、警備に関する法令や知識の理解はもちろん、豊富な警護経験や高い判断力、冷静な対応力が求められます。特に身辺警護では、対象者の行動パターンや周囲の状況を常に把握し、不審者や不審物の存在を察知する能力が重要です。また、体力の維持や護身術の習得も必要であり、柔道や武術などの経験があると有利です。警備員としてのキャリアは、まずは比較的容易な警備業務から始め、経験を積んだ後に第4号警備業務へと進むのが一般的です。この業務は、自分よりも警護対象者を優先する高い責任感と、常に危険と隣り合わせであることを認識し、対応できる人材が求められます。
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