ATM保守業務の概要と警備業務における位置づけ
ATM保守業務は、警備業務の第3号に分類される「貴重品運搬警備業務」に含まれます。この業務は、現金や貴重品の輸送中における盗難や事故の防止を目的としており、警備業法第2条に基づいて定義されています。ATMの保守業務には、現金の補充や回収、機器の点検、故障時の対応などが含まれ、警備員がこれらの作業を担当します。ATMの設置台数が増加する中で、これらの業務の重要性も高まっています。
ATM保守業務の具体的な内容
ATM保守業務は主に以下の3つの業務に分けられます。まず、警備輸送業務では、ATM内の現金の補充や回収を行います。ATMの現金残高が適切でない場合、預け入れや引き出しができなくなるため、定期的な現金の管理が必要です。次に、資金管理業務では、ATMに補充した現金や回収した現金が、金融機関のデータと一致しているかを確認します。また、持ち出している現金の金額や1日に必要な現金量などの情報を、各金融機関の事務センターへ定期的に報告します。最後に、障害対応業務では、ATMが故障した際に、警備員が現場に出向き、機器の補修や現金の返却などを行います。これらの業務を通じて、ATMの正常な運用が維持されます。
ATM保守業務に必要な資格とキャリアパス
ATM保守業務に従事するために必須の資格はありませんが、「貴重品運搬警備業務検定」の取得が推奨されます。この国家資格は1級と2級に分かれており、2級は受験要件がなく、1級は2級取得後に1年以上の実務経験が必要です。資格取得には、国家公安委員会が実施する検定試験を受験する方法と、認定を受けた警備員特別講習事業センターが行う特別講習を受講し、修了試験を受ける方法の2通りがあります。1級を取得すると、貴重品輸送現場のリーダーとしての役割を担い、輸送警備計画の作成に参加するなど、警備業界で重宝されます。また、管理職への登用のチャンスも高まり、収入の増加も期待できます。ATM保守業務を取り扱う警備会社は全体の4.1%と少ないですが、比較的大手の警備会社で継続的に求人募集が行われており、全国各地での勤務が可能です。
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