1. 駐車監視員制度の概要とその役割
駐車監視員は、2006年に改正された道路交通法に基づいて創設された制度で、従来は警察官が担っていた放置車両の確認業務を一部代行する民間の職種です。違法駐車の抑制や交通事故の防止を目的とし、特に都市部での交通の円滑化に貢献しています。駐車監視員は「みなし公務員」としての立場を持ち、業務中に妨害や暴力行為を受けた場合には、公務執行妨害として刑罰の対象となります。そのため社会的責任も大きく、交通秩序の維持において重要な存在です。
2. 資格取得の流れと条件
駐車監視員として働くためには、国家資格である「駐車監視員資格者証」の取得が必須です。この資格は、公安委員会が実施する「駐車監視員資格者講習コース」を受講し、最終日の終了考査に合格することで得られます。講習は2日間で計14時間、費用は全国共通で20,000円です。受講には20歳以上であることや、一定の法的条件(前科がないなど)を満たす必要があります。無事に合格すると、資格者証の交付申請ができ、正式に駐車監視員として登録されることになります。
3. 働き方と求められる資質
資格取得後、駐車監視員として実際に働くには、警察と業務委託契約を結んでいる警備会社に所属する必要があります。多くの場合は契約社員やアルバイトとしての雇用が一般的で、勤務形態や報酬は会社によって異なります。業務内容は、街中を巡回し放置車両を確認・記録し、必要に応じて違反ステッカーを貼付するというもので、体力と粘り強さ、そして住民や運転手と接する際の冷静な対応力が求められます。社会貢献度の高い職種でありながらも、トラブル回避や適切な対応が求められるため、責任感と対人スキルが問われる仕事です。
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