警備業界の市場規模と成長
警備業界は、近年の新型コロナウイルス感染症の影響下においても底堅い売上高を維持しています。2021年度の売上高は3兆4,537億6,500万円で、前年度比0.6%減と微減にとどまっています。警備業者数は1996年の8,669社から2021年には10,359社と増加し、警備員数も2016年の552,405人から2021年には589,938人と緩やかに増加しています。
主要警備会社の売上高ランキング
警備業界全体の売上高約3.5兆円のうち、上位5社で約1.6兆円を占める寡占状態となっています。2022年現在の売上高ランキングは以下の通りです:
- セコム:1兆490億円
- 綜合警備保障(ALSOK):4,890億円
- セントラル警備保障:690億円
- 東洋テック:270億円
- トスネット:99億円
特にセコムとALSOKの2社が突出しており、業界全体の売上高の大部分を占めています。これらの企業は、セキュリティサービスだけでなく、防災、地理空間情報サービス、保険、介護など多角的な事業展開を行っています。
警備業界の特徴と今後の展望
警備業界は労働集約型の産業構造であり、警備員が現場で稼働することが中心となっています。しかし、大手2社を中心にIT活用による警備費用の低コスト化や効率化が進められています。また、セコムやALSOKは東南アジアを中心に海外展開を進めており、今後の市場拡大が期待されています。さらに、2010年以降、警備業界内外でのM&Aが活発化しており、業界再編や新たなサービスの創出が進行中です。
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