【警備員の仕事解説】列車見張りってどんな仕事?誰でもできる?資格は必要?

列車に乗っていると、線路の工事を行っている作業員を見かけることがあります。その工事現場の近くで、列車との事故を防ぐために重要な役割を果たしているのが「列車見張員」と呼ばれる人たちです。彼らは、線路上や駅構内での工事の安全を確保するために、常に列車の接近を監視しています。今回は、列車見張員について詳しく解説します。

目次

  1. 列車見張員とは?
  2. 列車見張員になるには?
  3. 列車見張員の資格について
  4. まとめ

列車見張員とは?

列車見張員は、警備業法に基づく職種ではなく、営業線近接工事保安関係標準示方書に基づいて定められた保安要員です。彼らは、線路内や駅の工事、踏切や高架などの近くで工事を行う際に、走行してくる列車が現場に接近しないように常に監視する役割を担っています。この作業は非常に危険であり、列車見張員の資格を持っていなければ従事できません。列車見張員は民間資格として認定機関での研修を受ける必要があります。

列車見張員の役割は非常に重要であり、彼らがいなければ工事そのものが行えないとされています。具体的には、以下のような業務を行います。

  • スタンバイ: 工事現場の両側に立ち、通行する列車の時刻表を確認しながら周囲を警戒します。運行管理部と連絡を取り、ダイヤの乱れや遅れがないかを常に確認します。万が一、ダイヤを間違えた場合、作業員の命に関わる事態となります。
  • 列車接近時: 列車が接近すると、他の列車見張員と連絡を取り、工事作業員に列車の接近を伝えます。作業員は見張員の合図に従い、安全確保のために線路脇に退避します。
  • 退避完了: 作業員が全員退避したことを確認した後、列車見張員は黄色い旗を掲げ、列車の運転手に退避が完了したことを伝えます。
  • 列車通過後: 列車が無事に通過した後、再度安全確認を行い、作業の再開を伝えます。次の列車の通過時刻も確認し、作業員に伝達します。
  • 退避ができない場合: 緊急事態が発生し、作業員が退避できない場合には、運転手にいち早く知らせる必要があります。この際、列車防護用具を使用して運転手に信号を送り、列車を停止させる指示を行います。

列車見張員になるには?

列車見張員になるためには、「列車見張員」や「列車等監視員」といった資格を取得する必要があります。しかし、この資格は個人で申し込むことができず、警備会社などの団体からの申し込みのみとなっています。そのため、まずは未経験でも応募可能な警備会社を探し、他の施設警備業務や交通誘導業務を行いながら資格を取得する方法が一般的です。

求人サイトでは、未経験で「列車見張員」として応募可能な警備会社を見つけることができますので、まずは調べてみることをおすすめします。

列車見張員の資格について

列車見張員の資格を取得するためには、約1か月の講習を受ける必要があります。この資格は民間資格であり、日本鉄道施設協会や鉄道電業安全協会が主催する講習を受け、試験に合格することが求められます。通常、所属する警備会社を通じて申し込みを行います。

資格は「施設資格試験」と「電気資格試験」に分かれており、それぞれ主催団体が異なります。受験に際して年齢や経験年数の制限はありませんが、試験合格後に健康診断書を提出し、医学的適性検査の基準を満たす必要があります。

講習内容には、保安講習会、実技訓練、学力検査、実技検査、運的適性検査が含まれます。これら全てに合格しなければ資格認定証を受け取ることはできません。講習では、時刻表の見方や見張りに必要な道具の使い方など、業務に必要なスキルを学びます。

資格取得後は、以下の業務が可能になります。

  • 重機誘導員: 線路内で使用する重機の誘導を行います。重機は大事故につながる可能性があるため、重機1台につき1名の誘導員が必要です。
  • 旅客誘導員: 駅のホームでの工事や整備作業の際、歩行者の通行を誘導し、安全を確保します。
  • 踏切監視員: 信号機器や通信機の配線工事が必要な場合、一時的に踏切の機能を停止することがあります。その際、踏切監視員が安全を確保します。

まとめ

列車見張員は、屋外での作業が中心で、夜間や悪天候でも業務を行う必要があります。そのため、一つのミスが重大な人身事故につながる可能性もありますが、その分達成感も大きい仕事です。未経験でも応募可能な求人もありますので、興味のある方はぜひ求人サイトで調べてみてください。列車見張員としてのキャリアを築くことは、鉄道業界において非常に意義のある仕事です。

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